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2008年12月24日

寒風は役所から吹いて来る(栗原市の仮設住宅)

岩手・宮城内陸地震
過去の災害規模と比べると局地的と言えるのかもしれない。
しかし、家族を失い、家を失い、仕事を失った被災者の苦労は災害の規模とは関係なく一人ひとりに襲いかかる。
下の画像は宮城県栗原市の仮設住宅だ。プレハブ小屋の玄関部分にひさしを設置し、まわりをポリカーボネイトの波板で囲い立派な風除室をつくっている。
しかしよく見るとなぜか一部の波板を取り外し北風や雪が吹き込んでしまう作りだ。
玄関を北向きにしてわざわざ風を呼び込む住宅をなぜ県は提供しているのだろう。
20122021花山風除室 036640.jpg
仮設住宅は県が設置する。今回も宮城県の責任で設置されたものだ。
風除室の設置は評価すべきものだが、プレハブの外壁に取り付けられたガス給湯器の排気口を風除室の中に取り込んでしまったため一酸化炭素中毒の恐れがあるのだそうだ。
結果的に、風よけ施設の中に風を呼び込もうとしている。
20122021花山風除室 038640.jpg
さらに西側だが、サッシ戸の上が同じく波板を取り外してある。
結果的に北西の風を仮設住宅の中に取り込む設計になっている。
安全のためだそうだ。
20122021花山風除室 039640.jpg
下の画像を見ていただきたい。
スロープを設置してある仮設では腰板の高さ以上は全く壁が無く風除機能はない。
体の不自由な高齢者の家には、出入りのたびに北風がまともに吹き込込んでくる仕組みだ。
20122021花山風除室 052640.jpg
住民は自ら窓枠をつくり壁を塞ごうとしている。
しかし、栗原市は管理者責任でその行為を一切許可しないと12月22日(月)通告した。
理由は安全が保てないと県から指導があったそうだ。
よく見ていただきたい。住民の工事は北側1面だけを塞いでいるだけで、西面は悲しいほど空きっぱなしだ。
さらに、北面も屋根と壁の間、スロープと壁の間と隙間が空いている。
上の画像にある県の安全基準に基づいて県自ら工事した風除室と比べて、住民の工事の方がはるかに遠慮気味で解放面が大きく。風は遠慮なく通り抜けていくだろう。
それでも栗原市と宮城県は入居者の住みやすさの工夫を安全が保てないと許可しないでいる。
20122021花山風除室 056640.jpg
栗駒山の麓にある栗原市、冬は栗駒下ろしの風が厳しいと聞いていたが、それよりも厳しい風が役所から吹いているらしい。
住民が辛い思いの時、行政の役割はそれをどうやって取り除くかを工夫し支援することにある。
日本に限らず世界中の常識であろう。
残念だがその姿勢がこの災害から見えてこない。

投稿者 yoshidakimio : 2008年12月24日 01:52